私が生まれる前年に、任天堂からファミリーコンピューターが発売されました。小学生に上がる前後くらいにスーパーファミコンが発売され、子供たちはみんなそちらに夢中になりました。その陰でひっそりとファミリーコンピューターは下降線をたどります。数年すると、また新しいゲーム機が生まれ、スーパーファミコンは下火に、、、
ゲーム機はこんな風にして成長から衰退を繰り返しながら現在に至っています。このように、製品が生まれてから廃れていくまでの一連のプロセスをプロダクトライフサイクルと言います。本日はこのプロダクトライフサイクルを取り上げながら自社で取り扱っているコネクタのご紹介をしたいと思います。
プロダクトライフサイクルの一般的な過程は以下の通りです。マーケティングの導入書にはまずまず紹介されているような比較的有名な話ではありますが、各プロセスの特徴だけ簡単に見ておきます。プロダクトライフサイクルというと、フェーズごとにプレイヤーがとるべき戦略がセットで語られることがほとんどですが、今回はそれを割愛しました。物量が多くなりすぎてしまうこともありますが、最近ではフェーズと戦略を結び付けてパターン化して考えるのが難しくなっていると私自身が感じているためです。衰退期に色がついているのは、今回のブログのテーマが衰退期にあるからです。いまはあまり気にしないで下さい。
<プロダクトライフサイクルが一般的に経るプロセス>
<導入期>
製品の認知度が低く、売り上げも低調。コストが先行して赤字の状態である。
<成長期>
製品の販売台数が増加し、経験曲線と固定費が分散されることで利益も大幅に増加していく。
<成熟期>
成長市場につき競争が加速すし、普及率が頭打ちに近づくにつれて売り上げも伸びなくなる。価格競争や開発競争も激化し、売り上げだけでなく利幅も薄くなる。
<衰退期>
競争が過熱することにより市場のうまみがなくなり、後発の技術や製品の台頭もあって撤退者が増加。残ったプレイヤーは利益が確保できる中で生産を続ける。
さて、前置きが長くなりましたが、今回のテーマは「衰退期」です。衰退期になると、上記のように提供するプレイヤーが減ります。逆に言うと、“それでもほしい人”は調達難のリスクに直面するということです。我々が扱っているコネクタについても同じことが言えます。以下の写真を見て下さい。
こちらは、当社が扱うAVコネクタの一種です。こういったコネクタは音響系・映像系を中心によく使われていましたが、現在はHDMIなどの代替が利くコネクタの台頭で、特に大型のものは撤退が相次ぎ、調達が難しくなっています。これらのコネクタはまさにプロダクトライフサイクルで言う衰退期に該当する部品です。新しい規格に押されてはいますが、接続する機器にはRCAしかジャックがない場合もありますので、需要は0にはなりません。しかしながら、衰退期に入ると、関連産業の撤退や自社工程の確保の難しさなどで費用高となる場合も多く、やはり撤退するプレイヤーが多いのです。
その点、当社が取り扱うコネクタは安心です。自社で放電加工機やプラスチック成型機を保有しているので、衰退期に入ったようなタイプのコネクタでも金型を保有して言うものが多く、既に日本では低入れにくくなっているコネクタも安心して提供が可能です。音響系のコネクタを探してお困りというお客様がいらっしゃれば是非当社にご一報ください。仮に金型がなかったとしても自社で設備を保有しているので格安で金型を起こすことが可能です。
ということで、今回はプロダクトライフサイクルを例に自社コネクタのご紹介ををいたしました。
プロダクトライフサイクルについては、現象としてはもちろん例外はあり、戦略論も複雑化しているのですが、考え方自体はまだまだ現役だと考えています。それは、このプロセスをマーケティングそのものに組み入れてしまおうというプロダクトライフサイクルマネジメント(PLM)という手法がまだなお活発なことからも分かります。
例えば、新製品をバンバン出して意図的に製品のライフサイクルを短くする、スマホなどでとられる手法は「計画的陳腐化」と呼ばれますし、逆にお菓子やインスタントラーメンのようにロングセラー商品の寿命を長くする主要は「ライフサイクル・エクステンション」と呼ばれます。どちらもプロダクトライフサイクルの考え方に目を付けた手法です。
プロダクトライフサイクルを考えると、自社の商品を俯瞰することができます。細かい打ち手に頭を悩ませているときなど、思い切って大きな枠組みで考えることもリフレッシュになると思います。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。