元回路屋でございます。
最近のデータ転送速度の高速化に伴い、基板設計に於いて注意点が増えました。
その中で、今回は「伝播遅延」について書いてみたいと思います。
DDR4 , USB3.0 , PCI Express , LVDS などの高速データ転送ですと、各規格のAC特性も
シビアになっており、A/W屋のちょっとしたミスが不良基板を発生させてしまいます。
各信号で「等長配線」の指示がお客様からあったとして、基板表層のみで配線したパターンと
基板表層から内層を経由して配線したパターンを「等長」にした場合、正常に動作しない
可能性があります。
その理由としては、基板表層と内層では「伝播速度が異なる」ということです。
せっかく配線領域を苦労して確保し、丁寧にミアンダ配線をして苦労の末「等長配線」を
成し得たとしても正常動作しないとなってはやり切れません。。。。。
「表層」と「内層」の伝播遅延速度には、諸条件により異なりますがざっくり15 ~20 % の差異が
出てしまうそうです。
一昔の20MHzのマスタークロックで動作していたCPUであれば問題無く動作しそうですが、
n(ナノ)s , p(ピコ)s のAC特性の場合、その15 ~20 %が致命傷となる可能性が高くなります。
因みに内層配線の方が「伝播遅延が大きい」です。
気を付けたいものです。