ガーバーデータで困った事

こんにちは、設計部の淺原です。

本題に入る前に、ちょっと世間話を。
横綱で「白鵬さん」ってご存知ですよね。前に良く耳にしたのは「横綱の品格」。
張ったり、引いたり、横綱らしくない、という事らしいのですが、私はそれの何がいけないの?と
思ってしまう。
相撲の技でない、とんでもない事をするのであれば問題視する事もあるかも知れませんが
れっきとした技を繰り出しているにも関わらず、それのどこがいけないのか、私にはさっぱり
理解できません。
その技を使って、登りつめた横綱なら堂々と使い続ければいい。そして勝ち続ければいい。
負けすぎたら文句を言われ、勝つために技をつかって品格がないと言われ。
異国で活躍するのって大変なことだと思うんですよね。その上で頂点までのぼった白鵬さんに
いろいろ文句言えるのって、私にはその感覚が分からないです(あくまで個人的な考えですけどね)


戯言はこれくらいにしまして、今回はお客様からガーバーデータが支給され、

面付けして基板製造して
ください、という依頼のお仕事で、

お客様からのガーバーデータで困った事をいくつかあげて
いきますので、みなさんは、そのような設計をしていないか?を気にかけて設計しているか、自己診断してみてください。

(1)設計としては論外かも知れませんが、実際にあったデータの話。

マイクロストリップラインでインピーダンス整合している設計で、リファレンス層が
分断、もしくは交差するように別信号が通っている。

落とし穴的な条件として、リファレンス層がネガポジデータの場合に起こる事があります。
ネガであれば、必然的にリファレンス層はベタとなるので、インピーダンス処理の必要な
信号の配線経路を気にせず、太さとクリアランスだけ、計算値通りに配線すればいい、と
思いますが、リファレンス層がネガとポジ合成の場合、ポジ層にうっかり交差させてしまい、
その為にベタが切れる事があります。

ネガ・ポジ合成データを使用して設計する場合は、そういう点にも注意してください。

(2)DRC(デザインルールチェック)だけでは見つからないクリアランスエラー

全てのCADの話ではないですが、銅箔と銅箔間だけDRCを掛けて確認している場合、
レジスト開口される領域に、異電位のパターンが非常に接近している場合があります。
これは、コンマ数ミリ単位のレジストズレでで露銅の可能性があり、非常に厄介です。
銅箔同士のクリランスだけではなく、レジスト開口と異電位パターンとの距離にも十分
注意が必要ですが、作り手側からみると結構クリアランス不足データが多いです。

(3)面付け想定されていない設計

中小ロットの製造でも、単品で基板を作ることはせず、シート化して一度に何枚か製造できる
よう、ガーバーデータを編集しています。
シート化するには、Vカットを設けたり、ミシン目を設けたりして、基板同士をくっつけますが
製造段階の事を気にせず、単品データで、四方をぎりぎりまで使って設計している場合があります。

製造には十分注意致しますが、出来れば基板端面からは1mmのクリアランスを設けて設計して
欲しいと思います。


このように、ちょっとした事で基板品質は簡単に変わってしまいます。
せっかく、設計した基板が、残念な結果にならぬよう、製造の事も踏まえた設計をつねに心がけ
我々も、日々奮闘しています。