元回路設計屋で、現アートワーク設計屋をやっております。
そんな経歴から、ふと思ったことなどを綴ってみたいと思います。
上記回路は、よく目にするクロックとオペアンプの1次ローパスフィルタ回路です。
アートワーク屋としては、回路設計者から特に指示が無かったとしても、
回路設計者の意図をこの回路図より汲み取らねばなりません。
このような単純な回路にも回路設計者からのメッセージが隠されているのです。
クロックの抵抗はドライバーICとレシーバーICの間に挿入されているが、
ドライバーIC寄りに描かれております。
これは「この抵抗はダンピング抵抗である。
その為、抵抗の配置はドライバーICの出力ピン近傍にして」というメッセージです。
フィルタ回路も同様に、オペアンプの出力~入力ピンのフィードバック信号に
R2,Cが並列に挿入されております。
回路図上、オペアンプの近くに描かれているのはR2です。
このことから「R2を優先してオペアンプの近くに配置してくれ」とのメッセージが
読み取れるのです。
回路設計者からのメッセージは、「設計指示書」等だけではありません。
回路図中にも沢山の指示があるのです。
この指示を読み取り、確実にアートワーク設計に反映させることが
アートワーク屋としての腕の見せ所だと思います。
こうした積み重ねが、設計品質の向上に繋がり、
延いては顧客からの信用へと繋がると思い日々研鑽です。