あけましておめでとうございます。
旧年中は格別のご厚情を賜り、まことにありがとうございました。
おかげさまで弊社は今年の11月に創業16周年を迎えることとなります。
本年も変わらぬお引き立ての程よろしくお願い申し上げます。 皆様のご健勝とご発展をお祈り申し上げます。
本日は改めて「企業が生存する」ということについて考えてみたいと思います。
世の中には経営や競争原理に関する本は沢山出ており、どれも良いものばかりなのですが、競争原理の核心を最も端的に著しているのはダーウィンの「種の起源」、いわゆる進化論のように思います。
進化論についてはいろいろ問題が指摘されているのは事実ですが、本日はその実体を考えるのが目的ではありませんのでご了承下さい。
「強いものや賢いものが生き残るのではなく、環境に適応したものが生き残る」
というのはダーウィンが残した有名な言葉です。
環境に適応するというと言葉は簡単ですが、進化論はもう少し奥が深いです。
生き物はそれがどのようなものであれ、外部から栄養を摂取し、それを体の特長や生態に変換して存在しています。限られたエネルギーをどこからどのように摂取して、それをどのような体にするのに使い、その体をどのように利用して生きるのか。その結果が環境に合うものであれば生存の可能性が高まるということです。
企業の競争原理でも同じようなことが言えます。会社を構成する資源、例えば人もお金も時間も物も限りがあります。その限られた資源をどこに割り振り、どのような会社を作るか。そしてそれが社会に適応するかどうかで企業の生存が決まっていきます。
インプットからアウトプットまでの構造と、それが外部環境へどのように適応するかという原理について考えると、進化論と企業競争原理はとても良く似ていることが分かります。
競争の原理を考える上で「種の起源」がとてもいいと思っているのは、上記のようにこの本が競争の本質そのものを追求しているからです。
但し、進化論と企業競争は全く同じかというと、当然そんなことはありません。両社の一番の有無は「意思の有無」にあります。帰納的に競争の原理を考えていくと両社はとても良く似ているのですが、プロセスは全く異なります。
「遺伝に意思はない」
という言葉もよく言われる言葉です。キリンが例に出されることが多いですね。これは「キリンは高いところの草を食べたくて首を伸ばした」というのは誤りで、「高いところの草を食べられるキリンが生き残りやすかった」という考え方の事を言います。両社は似たような表現に見えますが中身は全然違います。環境に適応できる特徴を持った個体が生き残った結果、その種に特徴が表れて行ったというのが種の起源の基本的な考え方になります。首を伸ばそうなんてことはキリンは考えていないわけです。
しかし企業は違います。意思を持てます。首を伸ばせるキリンになることができます。世の中の動きを察知し、そこで生き残れるように自分の姿を変えることができるのです。我々もこの社会の中の1企業として、環境の変化に耐えられるよう意思を持って前に進んでいきたいと思います。
最後に、あまり有名ではないですが、ダーウィンの言葉をもう一つご紹介します。個人的にはこっちの方が好きですね。
自然淘汰とは、
有用でさえあれば、
いかに小さな事であろうとも、
保存されていくという原理である。
環境に適応するとは、社会に受け入れてもらうこと。有用だということはお客様を始めとした関係者の皆様に喜んでいただけるということ。一つ一つのお仕事を、お客様に喜んでいただけるようにご対応することが一番大事なことだと考えております。
本日も最後までお読みいただきましてありがとうございました。